先日、ある書道教室の先生から、教室移転に伴う物件探しのご相談をいただきました。
ご紹介でのご縁でした。
先生はすでに地元の有力な不動産会社を何件か回り、ご自身でも街を歩いて探されていたものの、なかなか条件に合う物件が見つからなかったそうです。
お話を伺うと、現在は解体予定の風呂なしアパートの一室を、知り合いの大家さんから借りて教室を運営されているとのことでした。
そのため「今と同じような形で借りられる場所」を探されていました。
しかし一般的に、アパートの一室で事業を行うことは決して簡単ではありません。
用途や契約条件、管理規約など、越えなければならない壁が多くあります。
この点をお伝えすると、
「今が借りられているので、そんなに難しいとは思っていませんでした」
というお言葉が返ってきました。
そこで私たちは、改めて先生の**“やりたいこと”**を一つひとつ丁寧に伺いました。
- お風呂は実は不要であること
- 住宅である必要はないこと
- 店舗や事務所でも構わないこと
- 内装は自分でリフォームしてもよいこと
そうして見えてきたのは、
「風呂なしアパートを探すこと」が目的ではないという事実でした。

目的はただ一つ、
**「書道教室ができる場所を見つけること」**だったのです。
そこで、住宅にこだわらず、事務所や店舗物件で探すというご提案をしました。
すると偶然にも、先生がすでに相談に行っていた“地元の有力な不動産会社”が管理している物件の中に、条件にぴったり合う物件が見つかりました。
結果として、その物件で無事にご契約となりました。

この出来事は、
「目的を見誤ると、選択肢が一気に狭くなる」
という、不動産業では“あるある”の典型的な例でした。
不動産の仕事は、地域の未来に関わる仕事
このご相談を通じて、私たちはもう一つ大切なことに気づかされました。
書道教室はアパートの一室で行われていると聞いていたため、正直なところ、こじんまりとした教室を想像していました。
しかし実際は違いました。

そこは、
書道だけでなく、試験勉強や宿題をするために地域の小学生たちが集う、なくてはならない場所だったのです。
子どもたちにとっての居場所であり、
地域にとっての大切なコミュニティでした。
改めて実感しました。
私たち不動産の仕事は、単に「建物を貸す・借りる」仕事ではありません。
- 人の想いを形にすること
- 地域の営みを支えること
- 未来につながる場所を守ること
不動産は、地域社会と密接につながり、確実に誰かの人生に影響を与える仕事です。




















